IAMASメールマガジン『ヌートリアまわり通信』に連載している「ぬーちゃんの大審問官」をここでもご紹介します。
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ぬーちゃんの大審問官 第98回「ジェンダーレストイレが話題だそうですが、多目的トイレとは違う?」
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【質問】ジェンダーレストイレが話題だそうですが、多目的トイレとは違う? ジェンダーレスの考え方自体は賛成なんだけど、男性といっしょに使うのはちょっと怖い気もします。
【ぬー答】なんや人間の世界ではLGBT法案たらゆうもんが国会に出たらしいんですけど、そもそもこのLGBTてそれぞれが何の頭文字なんか、即座に言える議員さんはあんましいてはらへんみたいやね。まあ言えたかてべつに何の自慢にもならへんねけど。最近はこのLGBTの後にQゆうのんも時々くっついてきよるらしいんやけど、それはオバQみたいなもんなんやろか。Qて、うちらの目線からしたら、LGBTの後ろについてる尻尾みたいで、ちょっとかいらしい感じはしますわな。
有性生殖する生きもんの性差に関わる現象について、うちらけだもんの立場から言わせてもろたら、そもそも身体の性と心の性が完全に一致することは、生物界にはおへん。まあだいたいは一致するんやけど、一致せえへん場合も必ず出てきよる。人間以外の生きもんでも、異性愛は多数派ではあるんやけど、同性愛もけっこうあります。つまり性的な現象ゆうもんは規則でピシッと決まってるんやのおて、グラデーションがある。そうゆうふうに、神さんは自然を設計しゃはった、ゆうことや。
ところが人間の文明は規則を最初に決めて、それに一致するマジョリティが正常、せえへんマイノリティは異常と決めつける、ゆうたら神さんの設計に背くようなことをこれまでしてきたさかい、今頃になって、マイノリティもおんなじ人間やのに異常と決めつけて差別するのんはおかしいやないか、ゆうことが主張でけるようになったん自体は、まあええことやと言えます。
それはそうなんやけど、今のLGBT理解増進法たらゆうもんは、どう考えてもおかしい。そもそも自民党やら国会やらでこれを議論してはるおっさんおばはんの、服装、喋り方、言葉遣いからして、あの人らはLGBTQの表してる、生き方やら文化の多様性とは、程遠い人らやわね。LGBTからも遠いけど、特にQがあれへんのが致命的や。
ほんなら、なんでこんな法案通すかゆうたら、それはLGBTQのためやのおて、新しい法律がでけたら、それに見合う政府関連組織やら作ることがでけて、天下り先にもなるし、関係する会社やら業界も儲かるし、要するにLGBTQには本来何の関係もない人らの、人事と金儲けの手段になるからや。さらには「差別は許さん」ゆう誰も反対でけへんキレイ事で、政治的課題としては小さいこのての話題で騒いどいてもろたら、ほんまに大事な財政やら税金の議論から国民の眼を逸らせる、ゆうこともある。そやから、LGBTQ当事者の人らは、こんな法律通ったからゆうて、自分らが大事にされてるて勘違いしたらあかんで。
それを言うといた上で、ご質問に答えましょ。まずジェンダーレストイレは、多目的トイレとは違いまっせ。多目的トイレは、障害者、高齢者、ちっこい子供連れの人も利用しやすいように設置したもんで、そんなもんにまで男女別をしたら効率悪いさかい、男女どっちでも利用でけるようにしてあるだけや。それに対してジェンダーレストイレゆうもんは、そもそも便所に男と女の区別するんが間違いやてゆう、もう頭おかしいんちゃうかて言いたなるような思想から出てくるもんですわ。
質問者は女の人やさかい、トイレがおっさんと一緒になるのんは、ちょっと怖い思てはる。それはまったく当たり前のことで、そう思わはるんやったら、ジェンダーレスの考え方自体は賛成なんて言わん方がええ。ジェンダーレスゆうのんは、男女同権とか雇用の機会均等とかとはぜんぜん違う、そもそも異常な考え方なんやで。うちらけだもんの世界やったらかめへんけど、人間の世界でジェンダーの区別をとっぱらってしもたら、おなごの方が一方的・圧倒的に不利になり、危険に晒されます。この不利益と危険は、法律で防がなあかん。
これまでもヨーロッパでは、劇場やらで休憩時間に、男便所はガラ空きやのに女便所は長蛇の列になってるような時、女の人が男便所使うのんは黙認されてた。そやけど、その逆は許されへん。それとおんなしで、自分は身体は女やけど心は男やから男便所使います、ゆうのんはまあええとしても、その逆は絶対あかん。性別の自認がどっち側からも均等ゆうのんは、自然の摂理にも神さんの意思にも背く、狂った考えやと思いまっせ。