【今月の質問】
先日、橋下徹さんが政界引退を表明しましたが、会見で、住民投票のプロセスとその結果を「民主主義の活動」と発言されているのが印象的でした。一方で、その会見に対し、ある芸人さんが「多数決で決まるなら世界は中国の思いどうり」とコメントしたことも話題になりました。私には、どちらの発言も民主主義においては「多数決が一番!」といっているように感じられ、少し怖くなりました。民主主義とはときとして不安なものなのでしょうか。(ひ、ζ,み)
【解答】
〈みんしゅしゅぎ〉ちゅうもんはそもそもなんぞや? それは、まあゆうてみたら、「ぬーとりあはほんまにかいらしいいきもんやねえ」「ほんま、そのとおりや」ゆうてみなさんがきげんようなっとくしてはるさいちゅうに、だれかが「え? うちはぬーとりあ、ぶさいくやとおもうけどな」て、ごんごどうだんないけんをいわはるとき、なんぼそんなことありえへんておもても、ふんふん、なんでそうおもわはるんですか? ゆうて、みみをかたむけるということや。いわゆる〈KY〉のいいぶんをきいてみる、ゆうことやね。これが〈みんしゅしゅぎ〉のほんしつですわ。
それにたいして〈たすうけつ〉ゆうのんは、きんだいの〈みんしゅしゅぎ〉よりもずうっとむかしからありました。ほうけんてきなさむらいのじだいでも、えらいとのさんがあつまってなんかきめなあかんとき、みんなそれぞれおのれのいいぶんばっかりしゅちょうして、ああでもないこうでもない、なんぼぎろんしてもきまらへん、そやけどもうじかんないわ、ゆうようなとき、ええもうしゃあないさかい〈たすうけつ〉できめよか! ゆうことになる。どんななってもうらみっこなしやで、まあ、じゃいけんできめるよりはましかもしれんさかいな。〈たすうけつ〉て、しょせんそのていどのもんですわ。
つまり〈たすうけつ〉ゆうのんは、ゆうたら〈みんしゅしゅぎ〉がうまいこといってへんゆうことをあらわすしるしや。そやからあるいみ、〈みんしゅしゅぎ〉からはいちばんとおいてつづきなんやけど、〈みんしゅしゅぎ〉いこーる〈たすうけつ〉やで、ゆうことで、とくするやつもいとる。それは、どくさいしゃや。むかしのどくさいしゃは「わしのちからはかみさんからさずかったもんや」ゆうてふんぞりかえってたらよかったんやけど、〈ひとらー〉いこうのげんだいのどくさいしゃは「わしのちからはをわしをえらんでくれたみんしゅうによるもんや」ていいたがる。つまりいまどきのどくさいしゃにとって〈たすうけつ〉は、かみさんのかわりゆうことや。
そやけど〈せいしょ〉をよんでみたら、かみさんもきりすとさんも、けっこうとんでもないことをいうたはるし、ほとけさんもそくらてすも、みんなが「ああなるほど」とすなおになっとくするようなことはゆうてない。そうゆうとんでもないことにみみをかたむけてきたゆうことは、しゅうきょうやてつがくのほうが〈みんしゅしゅぎ〉てきやということや。ただ〈たすうけつ〉も、ときどき、どくさいしゃがおもいもせんけっかがでる。〈たすうけつ〉が〈みんしゅしゅぎ〉になるのんはそのときだけや。〈たすうけつ〉にいぞんするどくさいしゃは〈たすうけつ〉によってほろびる。いんがおうほうということやね。
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