『ダーティ・ママ』
うるさいこと言いとないけど、まずこの題名あかんわな。「ダーティ・ママ」ゆうたら「ダーティ・ハリー」みたいに比喩的やのおて、ほんまに「きちゃないおかん」みたいに聞こえてまう。「ダーティ」なもんは「ママ」やあらへんで。おかんはどんな悪いことしてもかめへんけど、きちゃなかったら、子供は寄りつかれへんがな。
まあ、それはええとしてこの作品、いつのまにやらアラフォーの永作博美はんが、痛々しいまでにがんばって演じてはる、おんなの刑事ドラマや。おもろいことはおもろいんやけど、同時にどうゆうたらよろしいのか、ほんまにこれでええのんか?ゆうきぃもしてきて、だい一話、ふくざつなおもいでみせていただきました。
つまり、あかちゃん連れてはたらくしんぐるまざーの刑事、ゆうせっていですわ。ほいくしょに預けんと、ベビーカーに入れて仕事に連れて歩いたはる。ありえへんけど、そこがドラマや。刑事やさかい、容疑者を追跡したりして子供がきけんなめぇに合うかもしれん。そやさかい特注の、防弾カバー付きの、なんやガンダムみたいなベビーカーに乗せたはる。いやぁ、うちもあんなん欲しいわぁ、どこで売ってるんやろ、ゆうて探してもあかんで…いや、人気がでたら商品化されんともかぎらへんけどな。
ベビーカーはそうゆう未来的なもんなんやけど、幼な児連れて危ない世渡りするゆう設定は、ほれ、あれあれ、♪しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん♪、『子連れ狼』も思い出さんわけにはいかへんわな。ただ子連れ狼の拝一刀は、子供に危ないめぇみせんように、大五郎を置いて修羅場に向かわはる。かたやダーティ・ママは子供をどこでも連れて行くゆうのんが、ほんま何というか、ポスト・フェミニズムの21世紀やわねぇ。
そう思て評価しよと思うと、今度は気になってしゃあないんは、永作はんの着てはる、よれよれのトレンチコートですわ。どうみてもこら「コロンボ」やないかいな。そうゆうたら永作はんの役作りも、警察のなかにいながらいっつもマイペースで、みなにあきれられながら難事件かいけつするゆう、これまで男はんの刑事ヒーローがさんざん開拓してきたラインを、なぞってるだけや。ほんまにこれでええんやろか? これやったら、ポスト・フェミニズムはフェミニズム以前への後退と、区別がつかへんのとちゃうやろか?
そうは思いましたけど、まだ始まったばっかりやさかい、文句は文句としてしばらく観させてもらいますわ。うるさいことでごめんやっしゃ。
『ダーティ・ママ』 日本テレビ 毎週水曜22:00放送
http://www.ntv.co.jp/dirtymama/
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