『八重の桜』(2014年NHK大河ドラマ)
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/2000/86512.html
ことしのなつからうちのテレビはうつらへんさかい、この連載でもテレビドラマの話はもうないのやろか、とみなさん心配したはったんとちゃいますか? なかなか、ドラマちゅうびょうきは、テレビがうつらんようになったぐらいではなおりゃあせん。親はのおても子はそだつ、テレビのおてもドラマはみれる、何はなくとも江戸むらさきや。いや、今回は江戸やのおて、会津と京都のおはなしでした。NHKが再来年によていしたはる大河ドラマ『八重の桜』のことですわ。
この主人公の山本八重ちゅうのんは、会津藩の砲術指南、つまり鉄砲やら大砲やらの撃ち方おしえるせんせの家に生まれよったおなごや。戊辰戦争で鶴ヶ城籠城戦になったときには、男のかっこして鉄砲持って応戦、さながら幕末の戦闘美少女ちゅうとこやろか。ほんまはその時八重はん、もうバツいちやったさかい「美少女」は言い過ぎやけど、まあそのへんは勢いや。「花の姿にたとうれば~ つぼみも清き山桜~」(舟木一夫「あゝ鶴ヶ城」1965年)あ、この歌は白虎隊のことやったな。ひつれいしました。
とにかく、抗戦もむなしくお城は陥落、サムライの世の中がおわって時代は明治になりました。八重はん、兄貴の山本覚馬をたよって京都に来はって、そこで後の同志社大学の創始者・新島襄せんせにお会いにならはる。このせんせ、幕末に御法度の密航、アメリカの学校で教育受けはって、日本はキリスト教ちゅうもんを身につけなほんまの近代国家にはなられへんで、ゆう考えもって帰って来はったお方やさかい、そんじょそこらのおとなしい明治女子では気に入らん、ゆうわけで八重はんみたいなブッ飛んだ娘を嫁にもらわはった。
このおふたり、夫婦仲はまことによろしかったとお聞きしますけど、なんせ八重はん、明治の男子が理想とする貞淑な妻のイメージとはかけ離れてたさかいな、「悪妻」「烈婦」やとか「鵺(ぬえ)」やとか、メチャメチャ言われはった。特に最後のんはあんまりやけど、これ言いよったんはその頃新島襄の学生やった徳富猪一郎(蘇峰。蘆花の兄)や。自分のせんせの奥さんつかまえて「鵺」呼ばわりとは、ええ根性しとる。
そうゆうわけで八重はんが大河ドラマになったり、よしおかせんせも「現代芸術論」講義したはる同志社大学が話題になるんはまことにうれしいんですけど、ひとつだけ気になるんは配役や。八重の役はテレビの『セカチュー』(2004)やら映画『おっぱいバレー』(2009)の綾瀬はるかなんやけど、この人の新島八重て、どんなもんやろね。ミスキャストがかえっておもろなるんやったらええねんけど。まさか、当時「京都に耶蘇の学校みたいなん作らせへん!」ゆうて反対運動しとった寺のぼんさんらに「学校作らせてくれたらおっぱい見せたげる」て約束するわけにもいかへんやろしなぁ…。
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