きょうは、しゅうぎいんせんきょで、それどころやなかったけど、このにさんしゅうかん、げいのうにゅーすは、さかいのりこのかくせいざいもんだい、そればっかりや。ほんま、ええかげんにしてほしいわ。
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きょうは、しゅうぎいんせんきょで、それどころやなかったけど、このにさんしゅうかん、げいのうにゅーすは、さかいのりこのかくせいざいもんだい、そればっかりや。ほんま、ええかげんにしてほしいわ。
なんや、今回の選挙は、えらい投票率が上がりそうですな。政権交代しても別に何かが劇的に変わるゆうことはありませんけど、政権交代自体はドラマとしておもろいでっさかいな。てゆうか、選挙そのもんが、もっとドラマ性、演劇性をとりもどした方が、ええのとちゃいますか? 選挙権どころか人権もないうちらに言われたないかもしれんけど、日本中の大人のお方が、決められた日ぃに、みんな近所の小学校やらお役所やらに行って、紙になんや書いてそれを大急ぎで集計してテレビで報道するてなこと、考えてみたら、演劇そのものやおまへんか。欧米人や日本人は、イスラム教徒がお祈りしたり断食したりするのんを、ものめずらしそうに見たはりますけど、議会制民主主義たらゆう宗教の儀式も、よう見たらけったいな風習だっせ。もし宇宙人が来て見よったら、こいつら何しとんのか、理解不能やろね。
IAMASメールマガジン「ヌートリア通信」
連載:ぬーちゃんの「なんてったってアイドル」第13回「ゆうれんアイドル」
お盆もすんで、もうすぐお彼岸や。あの世とこの世とが近うなる、今日この頃でおます。そうゆうわけで今回は、〈ゆうれん〉のアイドルについて、ちょっと考えてみまひょか。〈ゆうれん〉ゆうのんは、幽霊のことを、上方でゆう言い方でおます。「アイスクリーム」のことを「あいすくりん」ちゅうのと、おんなじ理屈(?)やね。あの世とこの世、ほんまはよう似とるてゆう、上方の死生観を反映した表現や。
それはともかく、日本でいちばん知られた〈ゆうれん〉ゆうたら、やっぱり〈お岩はん〉やろかね。そやけど〈お岩はん〉、たしかに有名は有名ですけど、アイドルゆうのんとは、ちょっとちゃうんちゃうやろか(ちゃうちゃう?)。井戸の中でお皿の数かぞえはる〈お菊はん〉も、まあまあ可愛らしいし、ええ線いったはるんやけど、もうひと声、ゆうとこや。何があかんゆうたら、おふたりとも、失礼ながら、脚がおへん。いやしくもアイドルたるもん、ミニスカートの下からスラッと伸びた脚、いや、ほんまは大根脚のほうがもっとええんやけど、基本でっせ。
ゆうことで〈ゆうれん〉界のアイドルゆうたら、なんちゅうても『牡丹灯籠』の〈お露はん〉ですわ。このお方、〈ゆうれん〉のくせして、下駄はいて恋人のところまで歩いて来ゃはるんです。カランコロン、カランカラン、コロンゆうて。鬼太郎かいな。どっか日本のお方らしゅうないなぁて思てたら、この〈お露はん〉、そもそものご出身は『剪灯新話(せんとう しんわ)』たらゆう、中国明代のお化け話で、おんなじ明代の湯顕祖(とうけんそ)ていわはるお方が『牡丹亭還魂記』てゆう、昆劇(こんげき)のお芝居にしはりました。
近年このお芝居を、歌舞伎の女形の坂東玉三郎はんが、蘇州の昆劇の俳優さんらといっしょに『牡丹亭』ゆう題名で、やらはりました。そん中で玉三郎はんが演じはった主人公の杜麗娘(とれいじょう)、こらもう、〈ゆうれん〉界のアイドルの面目躍如たるキャラで、みなさん必見でっせ。このお方、ええとこのお嬢さんで、うららかな春のお庭で昼寝したはったら、夢の中で柳夢梅(りゅうむばい)ちゅうイケメンの若者と会うて、即ラブラブにならはったんやけど、眼ぇが醒めてもそれが忘れられんと、恋い焦がれてついには死んでしまはった。ところが地獄の閻魔大王も酔狂なお方で、そんな恋しいんやったら生き返らせたろ、ゆうて、娘の魂をまたこの世に戻さはって、ほしたら不思議なことに夢でみた若者はこの世に実在しとって、最後はうれしゅう結ばれる、ゆう話や。
よろしいなぁ。こんなむちゃくちゃな話、現代人にはとても書かれへん。そうゆう話のヒロイン演じられるんが、ほんまのアイドルちゅうことかも、しれへんね。アイドルは、ほんまは〈ゆうれん〉なんかもしれん、ゆうこっちゃ。〈幽霊〉があの世を到達不能の異界として前提しとるのに対して、〈ゆうれん〉は、あの世とこの世の隔たりみたいなもん見せかけやで、ゆうて、教えてくれはる。ありがたいこっちゃ。マルクスもデリダも〈スペクター〉について語らはったけど、あれもほんまは「幽霊/亡霊」よりも、「ゆうれん」て訳したほうが、ええのかもしれへん。
私事で恐縮ですけど、これで連載、めでたく1周年を迎えました。みなさん、いつもご愛読、ありがとさんでおます。本来IAMASメールマガジン「ヌートリア通信」の記事やのに、ここへの転載こころよう許してくれたはる、編集の福森さん、いつもお世話さまでおます。
警察官がヨッパライ運転でひき逃げしよった。気象庁が地震の警報、間違えて出しよった。ノリピーもマイケルも、やっぱり薬漬けやった…。そうゆう事件そのもんはまぁ、起きてしもたんやから、もうしゃあないとせんかい。この世の中、そないにきれえなもんやあらへんし、システムは完全やあらへんし、人間は、なんやかんやゆうても、弱いいきもんや。なんぼ平和な日本ゆうても、けしからんことは、次から次から出て来ますわ。うちらが人間のテレビのニュース見てて、ほんまに怖いて思うんは、そうゆう報道そのものやない。そういう報道についてインタヴューに答えさせられとる、一般市民のコメント、それ観て「そやそや」て思わされとる視聴者の心のうちや。
大文字の送り火もすんで、夏も半ばちゅうとこやけど、まだまだお暑い日ぃが続きます。みなさん、身体にきぃつけとくなはれや。こういう季節は、なるべく動かんと、涼しい樹の陰でお昼寝でもして、じっとぉしてるのんが一番なんやけど、いまの御時世、そうもいかんみたいですわ。昔はひまやった大学のせんせも、夏休みやゆうのに、忙しい忙しいゆうて出勤したはります。吉岡せんせなんか、8月のお盆前に集中講義やとかゆうて、まあ生徒さんもたいへんやけど、ごくろさんなことですわ。うち、思うんやけど、そもそもエアコンちゅうもんがあるさかいに、こんなことになるんやね。暑い盛りでも汗かかんと過ごせる、テクノロジーちゅうもんはありがたいもんですけど、それやったら、涼しなった部屋のなかで機嫌よう休んどかはったらよろしいのに、楽になった分、また仕事増やして汗かいたはる。ほんま、何したはるんやろね。
また、〈あいどる〉のひげきや。そやけど、こんどのはまあ、〈かくせいざい〉でつかまらはっただけで、まだまだきぼうはある。いまはしんどいやろけど、まあ、なんとかなりまっせ。じんせい、なげたらあかん。
はちがつになったゆうのに、なんやしらん、おてんきわるうて、なつやすみ、たのしみにしてはったおこたち、おきのどくなことでおます。
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